東京・目黒のオフィスビルから男が飛び降り自殺を遂げた。騒然となる現場から犬を連れた女・野上芽衣子(菅野美穂)が人知れず立ち去る。
1カ月後、警視庁捜査一課の管理官・三輪周平(モロ師岡)が失踪。捜索を開始した部下の刑事・真島拓朗(玉木宏)は、側溝に落ちた犬が助け出せず困っている芽衣子に出会う。芽衣子はペットサロンに勤めるトリマーで、犬は客から預かったという。真島はうろたえる芽衣子を叱りつけ、犬を救出した。
まもなく、三輪の残した手帳から目黒の自殺事件を報じる新聞記事が発見された。真島は事件と三輪の関係を追う中、ペットサロンで三輪の愛犬を担当していた芽衣子に再会。飼い主の不在で行き場をなくした犬の面倒を見たいと申し出る心やさしい芽衣子だが、彼女には別の顔があった。銀行員の菅沼俊也(波岡一喜)にしつこく電話をかけ、脅迫を繰り返していたのだ。
芽衣子は何食わぬ顔で菅沼の妻・知香(原田佳奈)に接近し、菅沼を追い詰める。そんなある日、駅のホームにいた菅沼の携帯電話が鳴り出す。電話の主は芽衣子だった。芽衣子が向かいのホームにいる知香の背後に迫っていると知った菅沼は、妻には手を出すなと懇願するが、芽衣子はあざけるように笑い・・・。