自分を「天才」と呼んだ20世紀の画家、サルバドール・ダリ。現実離れした不思議な世界を描いていたダリには、生まれる前に先だった兄がいた。兄の生まれ変わりだとダリを大切に育てた母も10代で失い、大きな喪失感の中で、独特の世界観を築いたダリ。幼い頃の幸せな家族の記憶とつながっていたのが、スペインの郷土菓子トゥロン。ヌガーのような、アーモンドの粉を蜂蜜で固めたお菓子は、家族で祝ったクリスマスの味だった。