東日本大震災、福島第一原子力発電所の事故から11年を迎える。世界が脱炭素に向け加速する中、日本の電力比率は現在、火力発電が約75%、原発は約4%まで減り、残りの20%を再生可能エネルギーで賄っている。政府が目指すのは2050年の脱炭素社会、カーボンフリー。その実現には更に、新たな再エネの拡大が不可欠となっている。切り札とされるのが「洋上風力」。四方を海に囲まれた日本の新エネルギーとして本命視され、2040年までに約4500基の洋上風力発電を建設する計画だ。最大で原発45基分に相当するという洋上風力の誘致へ向けた動きも加速。日本各地で事業者やメーカーが虎視眈々と受注に向けた動き出している。一方で環境への影響や、天候による発電量の変動などの課題も浮かび上がる中、洋上風力発電は日本の新たな主力電源となりうるのか。その可能性と最新の技術と現場を取材した。