落語家・立川志らくさんの家族は、とにかくみんな自分の好きな道をきわめてきた。祖父はかつては珍しかった大学出の鍼灸師。お灸の大家として、その名を残した。父はプロのクラシックギタリストにして多才な趣味人。けん玉やダーツでも入門書を書くほどの達人ぶり。母は長唄三味線の師匠だった。それぞれがバラバラの道を歩みながら、愛情だけはたっぷりあったと語る家族の中で、志らく少年が選んだのは、落語の道であった…