小さいころからテレビが好きで、テレビ業界に飛び込んだ戸村(日向亘)。 一世を風靡(ふうび)するような番組を作るために放送作家になったが、テレビ局で待ち受けていたのはごますり・パワハラ・時代錯誤のオンパレード。 そんな中でもめげずに企画提案にいそしむ戸村は、ある日の番組会議で「わさびをビルのように高く積んだ寿司を食べる『わさビル』」という企画を持ち込む。 しかし、企画は前時代的な番組制作スタッフの手によってどんどん改変されていき、戸村の意図とは離れたデスゲーム同然の悪趣味な企画に様変わり。 “わさビル”の名を冠しただけの別物に成り果て、そのまま放送が決定した。わさびの致死量(成人男性で600g程度)を知っていた戸村は事前に事故を防ごうとしたが、挑戦者は収録中に死亡してしまう—。 この死亡事故はネットニュースからSNSまで様々な媒体で拡散され、その矢面に立たされたのは戸村だった。 “わさビル”という企画名を出したがために、戸村はプロデューサーにすべての責任を被せられ、業界から干されてしまう。 絶望するあまり、大切なネタ帳を捨てようとする戸村だが、偶然居合わせた女性・秋澤和(梅澤美波)に引き留められる。戸村は自身が“人殺し作家”と呼ばれていると明かすも、秋澤は一切引いた様子を見せない。むしろ「ちょうど番組企画を考えられる人を探していた」と興味津々な様子で、戸村がネタ帳に溜めてきた企画案に耳を傾ける—。
企画した番組で死亡事故が発生し、責任をなすりつけられた放送作家の戸村(日向亘)は、“人殺し作家”の汚名を着せられ、業界から干されてしまう。失意の中、戸村はプロデューサーを名乗る秋澤(梅澤美波)に出会い、ネタ帳に書き溜めた企画を賞賛される。だがその直後、秋澤と話した通りのシチュエーションで、戸村が干される元凶となった番組のディレクター・伊原(ニシダ・コウキ)が水死体となって発見されてしまう。 不審に思った戸村は秋澤を呼び出し、事件との関係を問い詰めるが、そこで返ってきたのは「デスゲームを作ってる」という衝撃の告白だった。秋澤は“妄想”と前置きしつつ、債務者に最後のチャンスと希望を与えるデスゲームを考案・運営していると語る。さらに秋澤は、戸村に“デスゲームの企画”の才能があると、自身が所属するデスゲーム制作会社“ドリーミア”にスカウトする。 そんな中、戸村は偶然再会した放送作家の松尾(森永悠希)から、テレビ業界に復帰できるよう協力しようかと言われる。だが「自分のアイデアが人を殺してしまった」と罪悪感に駆られる戸村は迷った末、“ドリーミア”で働くことを選ぶ。 “デスゲーム作家”に転身した戸村は、“ドリーミア”で社長・小山内惣介(濱津隆之)、制作進行の瀬戸内ツネ(波岡一喜)、小道具制作を務める木野まどか(美山加恋)の個性的な面々に出会う。“ドリーミア”は、デスゲームを作っているとは思えない平和なムードで—。
落ちぶれた放送作家の戸村(日向亘)は、番組関係者の不審死をきっかけに、秋澤(梅澤美波)がプロデューサーを務めるデスゲーム制作会社“ドリーミア”に入ることを決める。そんな戸村が“デスゲーム作家”に転身後、初めての仕事のターゲットに選んだのは、戸村が業界を追われた元凶の番組『バウバウバウンディ』で司会を務めたお笑い芸人・やぐりんアラモードこと矢栗仁(木下隆行)だった。 矢栗は戸村たち若手スタッフに数々のパワハラ・セクハラを働いておきながら、仕事は途切れず、私生活では妻子とマイホームに暮らすなど順調そのものの人生。にも関わらず、裏では刺激を求めて、常習的に痴漢を行っていた。 戸村は、長年ともにパワハラを受けてきたADのキヨシ(辻岡甚佐)から、矢栗が痴漢を働いている証拠映像を入手する。SNSでその映像を拡散したことで、矢栗は大炎上し、世間からも妻からも見放される事態に。 そんな絶体絶命の矢栗のもとへ、戸村ら“ドリーミア”は招待メールを送る。その文面の“莫大な報酬”に釣られ、あっさりと参加を引き受けた矢栗を待っていたのは、戸村が考案した企画“硫酸懺悔(ざんげ)室”。 それは矢栗の自白する罪が多数決で許されれば最高3000万円の賞金が、許されなければ大量の硫酸が頭上から降りかかるという凄惨なデスゲームだった。判定員にゆだねられた、矢栗の運命は—。
テレビ業界を追われ、“デスゲーム作家”としてデビューをはたした放送作家の戸村(日向亘)。偶然再会したADのキヨシ(辻岡甚佐)から、戸村が死亡事故の責任を負わされた“わさび事件”の会議中の音声データを手に入れる。 そこには“わさビル”を戸村の原案とは異なる、安全性度外視のえげつない企画にねじ曲げていく、大御所放送作家の疋川(田口浩正)たちの発言が録音されていた。それは“人殺し作家”と扱われ、理不尽に放送作家の仕事を失った戸村にとって、えん罪を晴らすまたとない証拠だった。 過去に疋川から、幾度となくパワハラ、企画の横取りといった被害を受けてきた戸村は、疋川が金銭的に追い込まれていることを知り、次なるデスゲームのターゲットに彼を指名する。 因縁の番組“バウバウバウンディ”の関係者を次々とデスゲームで始末していこうとする戸村を見て、秋澤(梅澤美波)は「復讐(ふくしゅう)しようとしてる?」と問いかける。図星をつかれ焦る戸村に、秋澤は自身もデスゲームで復讐(ふくしゅう)しようとしていると、過去を告白する。8年前、彼女に起きた悲劇の元凶は、ある横暴なテレビ関係者で—。
収録中に起きた死亡事故“わさび事件”の責任を負わされた戸村(日向亘)は、放送作家からデスゲーム作家に転身し、かつての恨みを次々に果たしてゆく。そんな戸村に同僚の秋澤(梅澤美波)は、実家の飲食店と父をテレビ番組につぶされた過去を明かす。 番組に恣意的な取り上げ方をされたことで、実家の飲食店に客は来なくなり、父は自殺してしまった。その番組プロデューサーの名前は呉(前川泰之)。かつて戸村に“わさび事件”の全責任をなすりつけた男だった—。 その後、秋澤は就職した脱出ゲームの会社が経営難により“デスゲーム制作会社”に形態を変えても仕事を辞めず、“デスゲームのプロデューサー”になった。それは「かつて父親をつぶした呉に復讐(ふくしゅう)できるかもしれない」という期待からだった—。秋澤の告白を聞いた戸村は、ともに呉への復讐(ふくしゅう)を果たすことを誓う。 そんな中、“わさび事件”の関係者であるキヨシ(辻岡甚佐)は、事件の新たな情報を戸村に明かす。 わさびに致死量があることを知っていた戸村とキヨシは、挑戦者の安全のため、収録前に大豆粉をわさびの中にまぜこんでいた。しかし、検死の結果、“死亡した挑戦者は何も混ぜられていない、100%のわさびを食べていた”ことがわかったという—。