沖縄が米軍の占領下から日本に復帰した1972年5月15日、八重山(やえやま)諸島小浜島(こはまじま)の古波蔵(こはぐら)家で、恵文(けいぶん)と勝子夫婦に元気な女の子が生まれました。その子は父の名から恵の一字をもらい、「恵里(えり)」と名づけられました。それから11年後、農業のかたわら、民宿「こはぐら荘」を営む古波蔵家に、久しぶりに客がやってきます。東京から来た一組の親子連れでした。