「私の最後の高座におつきあいいただきまして、ありがとうございました」思いもよらない喜代美のあいさつに、一同は騒然とします。しかし、喜代美の決心は固いものでした。「自分がスポットライトを浴びるのではなく、お母ちゃんのように皆の世話をし、まわりを明るくする人生を送りたい」それが喜代美のたどりついた答えだったのです。それから数か月後、いよいよ喜代美に出産の日が訪れます。