太平洋戦争で決戦の舞台となり夥しい民間人犠牲者を出したテニアン島とサイパン島。凄惨な体験のトラウマから口を閉ざしてきた遺族たちが、語り残してくれた79年目の真実 日本の民間人多数を巻き込む初の地上戦が行われたサイパンとテニアン。1944年夏、日本軍は玉砕し、日本人移民も両島で1万3千人以上が犠牲に。その遺族が行う慰霊の旅に30年近く同行取材した膨大な証言が残されている。捕虜を出さないため日本兵や身内の手で奪われた幼い命。憎しみを募らせた米兵による民間人への一斉射撃。そして、日本の戦争が強いた島の先住民の犠牲。重い記憶を背負った人々の遺言ともいえる証言で綴る