古びた3階建てのアパート『メゾン・アフリカ』。杉立八重子(鈴木京香)は今日からここの住人となった。 結婚寸前までいきながら破れた2度の恋の痛手から立ち直るためでもある。 しかし、商店街で惣菜屋を経営している丸山みづほ(室井滋)は、八重子の素性に異常な興味を示し、売れない女優の卵・相沢有香(松雪泰子)は、八重子の部屋を風呂の水で水浸しにしてしまったことにも知らんぷり、入居間もない八重子を悩ませる。しかし、八重子の苦悩はこれだけにとどまらず、無職なのをいいことに管理人を押しつけられるはめに・・・。 かつての恋人・木村礼太郎(佐藤浩市)の撮った映画『アフリカの夜』に心動かされ、このアパートに決めた八重子。まさかその礼太郎が同じアパートに住んでいるとも知らず・・・。 そして、そんな八重子のもとに1年前結婚式の日、逮捕された新郎から復縁を迫る電話がな…
礼太郎(佐藤浩市)の部屋で開かれた歓迎パーティーの翌日、八重子(鈴木京香)のもとに曙塾から採用の連絡がきた。諦めていただけに、八重子は二つ返事で講師を引き受けることにする。だが一方では、みづほ(室井滋)が突き付ける部屋代5万でOKの管理人の仕事もなんとなく引き受けてしまった形に。有香(松雪泰子)は、八重子と礼太郎の関係が気に掛かり、頻繁に現れては「絶対にレータは渡さない!」と息巻き、緑(ともさかりえ)は緑で、酔って記憶のないことをいいことに、あることないこと夕べのことを礼太郎に話し、ことを荒立てようとする。 そんな中、八重子と有香がみづほの奇行を目撃。二人は、かねてから持っていた不審をさらに募らせるのだった。
八重子(鈴木京香)が礼太郎(佐藤浩市)に連れられ『メゾン・アフリカ』に戻ってきた時、「ここで暮らすことを決めた」緑(ともさかりえ)が丁度荷物を運びこんでいるとこだった。礼太郎の止めるのも聞かず、緑は手伝ってくれた有香(松雪泰子)に、レータが有香とは距離を置きたいと言ってたとか八重子とレータは恋人だったなど吹き込む始末。 『アフリカ』は緑という小悪魔の加入でますます混乱模様・・・。 八重子も、塾から「連絡するまでこないで」と連絡を受け、またしてもクビかと落ち込んでいた。しかし、みづほから「自分の人生自分で立て直せ」と励まされ勇気を取り戻した八重子の運は好転。塾から高待遇で教師として受け入れたいとの知らせが入る。 だが、張り切って教壇に立った八重子の身に、またしても暗い影が忍びよっていた。
八重子(鈴木京香)の部屋に突然やってきて好き勝手なことを言い、朝まで寝込んでしまう礼太郎(佐藤浩市)。そんな礼太郎が八重子の部屋から出てきたところを見つけた緑(ともさかりえ)は追及する。八重子の『メゾン・アフリカ』での生活はなかなか落ち着く気配がない。 一方有香(松雪泰子)は、礼太郎に「有香が望んでいるのは、男のために生きる人生じゃないだろ」と言われたことをキッカケに礼太郎との間が終わりなのではと感じ、仕事にかけてみることを考え始め、八重子のもとに相談にやってくる。 そんな中、みづほ(室井滋)は自分の身に危険が迫っていることを感じとり、店の将来を礼太郎に真剣に相談するのだった。みづほのただならぬ様子を不思議に思い心配になる礼太郎。
八重子(鈴木京香)の前に再び史郎(松重豊)が現れた。今度は生徒を人質にとり、一緒に新婚旅行に行こうと迫ってきたのだ。この時、みづほ(室井滋)の情報を伝えるためたまたま曙塾にやってきていた有香(松雪泰子)も事件の巻きぞえに。 その頃、逃亡生活を続けるみづほは、今度は礼太郎(佐藤浩市)に連絡をとっていた。どんな事情であれ、本当は『アフリカ』に戻ってきたいはずと礼太郎にいわれたみづほは、思わず泣き崩れてしまう。 一方福井県警は、時効目前の亀田伸枝検挙に必死で、テレビを通して整形を施した医師へ情報提供を呼び掛け、早速反応した医師がいたのだが・・・。 そして八重子と礼太郎は、みづほのことを気に掛けながらも、お互いのことも気になる存在であることを白状する。
八重子(鈴木京香)は時効の迫ったみづほ(室井滋)に自首を勧めるが、みづほは『アフリカ』を捨てても、絶対に逃げおおせて見せるという。 だが、ニュースで『亀田伸枝の母危篤』を聞き心は揺れる。それを見て取った八重子は、お母さんに会わせてあげる。その後のことはあなたに任せるといい、協力して福井に行くことを決心する。有香(松雪泰子)緑(ともさかりえ)もこれに同行。礼太郎(佐藤浩市)の止めるのも聞かず、4人はとうとう福井の実家にたどり着く。 病床の母と会ったみづほは、テレビのニュースで良吉(國村隼)が犯人隠避(インピ)で逮捕されたことを知り、時効まであと数時間、逃げて見せると飛び出して行く。後を追う八重子たち、そして警察。 ところが、途中で有香が足を滑らせ海に落ちてしまった。「助けて!」。緑の声を背に受けながら、それでもみづほは振り返らず走り続けた。