新卒で入社した大手広告代理店をパワハラが原因で3年たらずで辞め、途方に暮れていた未谷千晴(小芝風花)は、ある晩、中年の男がナイフを手に、足が悪くつえをついたスーツ姿の男・来栖嵐(成田凌)を襲撃する現場に出くわす。どうやら2人は顔見知りのようだったが、来栖が表情ひとつ変えず冷静に男を取り押さえたことで、事態は事なきを得る。ところが、一部始終を目撃して心配する千晴に、「人の心配より、ご自分の心配をしたらどうですか?未谷千晴さん」と、来栖はなぜか初対面の千晴の名前を知っている様子。 翌日、千晴は、叔母の落合洋子(石田ゆり子)が社長を務める転職エージェント『シェパードキャリア』を訪ねる。洋子は1日も早く再就職したいめいっ子のために“転職の魔王様”の異名を持つ優秀なキャリアアドバイザーを担当につけたというが、そこに現れたのは、前夜に出会った謎の男・来栖だった――! 早速、面談することになった千晴は、転職活動をするにあたり、職種は問わず、未経験の仕事でも構わないと話す。すると来栖は、「とにかく履歴書の空白期間を埋めたい」と焦る千晴の気持ちを見抜き、言葉遣いこそ丁寧だが、心をえぐるような辛辣(しんらつ)な言葉を次々に投げつけ、ついには「社長のめいだからって、忖度(そんたく)してもらえると思いましたか?」と冷淡な口調で千晴を突き放す。その言葉にすっかり心が折れた千晴は――。