98年春のある朝。駅のホームへ続く階段で、神宮寺祥(中井貴一)は転びそうになった風間美咲(稲森いずみ)を助けた。だが礼を言い続ける美咲を、神宮寺 は無視するだけ。すねた美咲は本を読み始めたが、すぐに居眠りをし、本を落としてしまう。その本「逆境の心理学」は神宮寺の著書だった。神宮寺に指摘され、焦る美咲。神宮寺は、その厳しいやり方で学生達から恐れられる啓聖学院大学の 優秀な心理学の教授だった。 1カ月後、美咲は撮影用のプールで神宮寺と再会。美咲を思い出せない神宮寺に、美咲は「逆境の心理学」をあれから少しは読んだと叫ぶ。そんな美咲を取り合わない神宮寺に、美咲はイブにこの場所で本の感想を述べてあげると啖呵を切る。だが、ふと左胸に手をあてた美咲の手には血が・・・。 数週間後、乳癌の宣告をされ愕然とした美咲は、「逆境の心理学」を手にとるうち、思わずその内容に引き込まれる。