神奈川県警捜査一課の刑事・吉永(船越英一郎)のもとに、誘拐事件発生の一報が飛び込んできた。誘拐されたのは、金融会社を営む赤沢商事の社長・赤沢宣良(田村亮)。夜8時頃帰宅した娘・雪乃(井村空美)のもとに、赤沢本人の携帯から「5千万円用意しろ」という脅迫メールが届いたという。その後赤沢とは連絡が取れず、身を案じた赤沢の秘書・塩見(阿部力)が通報して事件が発覚した。 やがて同じメールを受け取った妻の佐智枝(藤田朋子)も帰宅。その後、携帯電話の通信記録から、脅迫メールが送られてきた時点では横浜スタジアム付近に赤沢がいたことまでは特定されるが、依然としてその行方はわからなかった。そこで吉永は、部下の小沢(林泰文)らとともに、最近赤沢商事とトラブルになっていた取引先を張り込むなどして、なんとか足取りをつかもうとする。 翌朝、赤沢の車が大型商業施設の駐車場で発見された。警察側の動きを探るための犯人の罠である可能性も十分に考えられたが、トランクからコートの端のようなものが出ていたことから、班長の片山(眞野あずさ)は赤沢の安否確認を優先し、吉永に車をあらためるよう指示を出す。しかし、車内から赤沢は発見されず、間もなく佐智枝、雪乃の携帯に犯人から「警察に報せたから赤沢を殺した」とのメールが届き、宅地造成地の一角から赤沢が遺体となって発見されてしまう。 赤沢は体を粘着テープで縛られていた上、側に落ちていた石で激しく頭部を殴られて殺害されていた。現場に駆けつけた吉永は、赤沢の右手親指が微かに赤くなっていることに気づく。鑑識の結果、赤沢は犯人が脅迫メールを送ってすぐの昨夜8時から10時の間にすでに殺害されており、右手の親指が赤かった原因は、朱肉であることが明らかとなった。 その後の捜査の結果、赤沢は実の息子・良樹(尾上寛之)からお金を貸して欲しいと脅迫されていたことや、赤沢の愛人・則竹昌代(友倉由美子)が赤沢家に乗り込んできたことから、赤沢が遺書を遺していたことなどが判明する。 弁護士の立会いのもとに遺書を開封すると、2通の遺書が存在し、そのうちの1通は佐智枝と雪乃に財産を相続すると書かれていたが、もう1通には昌代に財産の半分を遺贈すると書かれており、拇印が押してあった。一連の事件は、遺産目当ての昌代がやったものなのか?疑惑の目が昌代に向けられるが…。