石ノ森龍之介(高橋英樹)は長野県諏訪市で開業する警察医。警察医は要請に応じて変死体を検案する医師で、普段は臨床医として一般患者の診察・診療を行っている。死因究明には一切妥協せず、数々の事件の真相を解き明かしてきた凄腕ドクターだ。 スキー場の救護室当番を終えた石ノ森がホテルの温泉に浸かっていると、長野県警の星野公彦(石黒賢)が偶然入ってくる。星野は以前殺人事件の解明に共にあたった相棒。あまりやる気を出さず、怠け者の面もあるが有能な刑事だ。連れ立ってホテルのロビーを通りかかると、「信州諏訪を盛り上げる会」の行燈が。中に入ると、石ノ森が昼間スキー場で手当てをした少年と母親・辻内佐知子(猫背椿)が礼を言いにやってきた。佐知子はワイナリーで働くシングルマザーだ。 佐知子はパン職人・塚本真司(高橋和也)とその妻・加奈子(櫻井淳子)を石ノ森と星野に紹介する。夫婦は20年ぶりに東京から戻ったばかりで、パン店のオープンを再来週に控えている。挨拶しに近づいてきた老舗ホテルの女将・金谷千春(中山忍)、その夫で県議会議員選挙に出馬予定の伸明(原田龍二)もみな旧知の仲だという。 会の最中、加奈子が突然倒れる。ピーナッツアレルギーによるアナフィラキシーショックを起こしたのだ。佐知子が知らずに加奈子にあげたクッキーが原因だったが、石ノ森の処置で事なきを得る。 翌日、警察から石ノ森に検案要請が来る。スキー場近くの林で変死体が発見されたのだ。遺体は調査会社経営で東京在住の新藤正樹(加藤虎ノ介)と判明。検視官は凍死と判断するが、石ノ森は首筋に残る数珠状の圧迫痕と爪の変色が気にかかり、行政解剖に回すよう指示する。死因は石ノ森の見立て通り一酸化炭素中毒だった。睡眠薬も検出され、殺人事件として本格捜査が始まる。 調べが進むうち、新藤と男女関係にあった秋山美佐(三輪ひとみ)や、前の夜「信州諏訪を盛り上げる会」に参加していた面々に次々と疑いが向けられる。 新藤の事件の捜査に追われる星野のもとに、長野県警の強行犯係係長・平井幸男(西村雅彦)がやってくる。1か月前に見つかった身元不明の白骨死体に関する捜査を星野に任せに来たのだ。男性で死亡当時20歳前後、死後20年ほどが経過していた。頭部には致命傷になったとみられる傷があった。 凄腕警察医と投げやり刑事の個性派コンビが2つの殺人事件の真実を解き明かす!