元警視庁捜査一課の刑事・江波敦史(寺島進)は奥多摩・水根の駐在所の警察官。左遷されてこの地に赴任してから3年になる。 コテージで心中事件が発生。男女は、産婦人科の開業医・光石義則(乃木涼介)と看護師の美馬サユキ(巻野わかば)だった。二人は不倫関係にあり、光石は関係を清算しようと別れを切り出していた。光石は一命をとりとめたが、サユキは死亡。光石の説明から、サユキが一酸化炭素中毒による無理心中を図ったと結論づけられた。だが、サユキをよく知る老舗旅館の女将・池原美也子(市毛良枝)はとても信じられないと言う。検死結果に疑問を持った江波は早速調査を開始する。 ほどなく事件の4日前に光石が練炭と七輪を購入していた事実が判明し、逮捕状が出された。だがその直後、光石は林道の駐車場で他殺体で発見される。 その頃、妊娠7カ月のレストラン従業員・和久井愛菜(黒川智花)が行方不明になったが、登山道で無事発見される。愛菜を妹のようにかわいがるレストラン経営者の篠原絵里子(白石美帆)によると、彼女は出産への不安から情緒不安定になっていたと言う。望まぬ妊娠だったのだ。お腹の子共々無事に戻った愛菜を、レストランの仲間たちは温かく迎え入れた。 そこにNPO法人代表の樋山好美(朝加真由美)が現れ、愛菜を預かると言い出す。好美は養子縁組の仲介をしており、愛菜の子供のことを光石医師に頼まれたというのだ。 愛菜は2年前にも望まぬ妊娠をしており、光石の産婦人科医院で出産。自分で育てられないため、好美の仲介で養子に出したという。だが光石の医院を調べても、愛菜のカルテはまったく存在しなかった…。 江波は恐ろしい疑問にぶちあたる。光石たちのやっていたことは、「養子縁組」ではなく「人身売買」だったのではないか――? そして驚くべき結末が待ち構えていた!!