警視庁捜査一課の三係班長・広瀬和宏(村上弘明)は、ある日の休日、管理官の那須恵一(加藤剛)の誘いでクラシックコンサートへ。愛妻家で情熱家のオーボエ奏者・森島只仁(佐戸井けん太)と、私生活がベールに包まれた神秘的なピアニスト・高林久恵(とよた真帆)の、待望の初共演だ。しかし2曲目の冒頭で突然、森島が苦しみ出す。広瀬らがステージに駆け寄るが、森島はそのまま絶命。オーボエのリード(吹き口)から即効性のある毒物が検出され、殺しと断定される。毒は直接リードにではなく、リードを湿らせるための“水入れ”に仕込まれたとして、広瀬たちは共演者らへ公演日の行動について聞き込みを行う。 捜査を進めると“水入れ”に毒が仕込まれたのはリハーサル終了から本番の間ということが判明。公演のサポートメンバーで、森島の事務所の後輩でもあるフルート奏者・三浦由妃(池田早紀)のアリバイが曖昧なことから、藤浪修(松澤一之)ら刑事は疑いの目を向ける。しかし広瀬が気になっていたのは久恵だった。森島が倒れた時に久恵が発した「心臓発作かもしれない」という言葉、事件直後に広瀬らが目撃したコンサートの再演を望む久恵と、拒否する音楽プロデューサー・杉崎哲(大浦龍宇一)との口論、長らく森島との共演を断っていたことが気に掛かっていたのだ。同じ頃、広瀬の部下は、久恵のマネジャー・麻生菜々美(川村ゆきえ)から、由妃が久恵のお気に入りであることを聞くが、程なくして久恵と由妃には、ある深い繋がりがあることがわかり…! 隠していたその事実に加え、久恵はまだ何かを隠していると直感する広瀬。事件の背景には複雑な人間関係があると睨んでいた。ところが、さらに調べを進めようとした矢先、新たな殺人事件が発生。杉崎が撲殺体となって発見されたのだ。第一発見者は、未払いだったギャラの請求に訪れたクラリネット奏者の後藤英治(駒木根隆介)だが、どこか様子がおかしい。そんな中、杉崎の遺留品から手帳を手に取った広瀬は、前日の欄に、森島の妻で女優の緋野まどか(田中美奈子)と会う約束が書き込まれているのを見つける。