警視庁捜査一課の刑事として活躍していた水戸部裕(松重豊)は、ある事件で指揮系統を乱したことを理由に所轄署へ異動。デスクワークをこなす日々を送っていた。ある日、水戸部は警視庁捜査一課長の山岸亘(宅麻伸)に呼び出される。捜査一課で性犯罪を担当し厳しい取調べゆえ“鉄の女”と呼ばれる朝香千津子(山本未來)と組んで、極秘で捜査して欲しい事件があるという。それは20年前、カフェ店員をしていた中牧みちる(小野しおり)が代官山の自宅アパートで扼殺された未解決事件(コールドケース)だった。当時、現場に残された3種類のDNAから、少なくとも3人の男性がアパートに出入りしていたことが判明し、容疑者として恋人で駆け出しのカメラマン・風見陽平(水間ロン)が浮上。しかし、逮捕寸前、風見は多摩川で水死体となって発見され、体内からは大量のアルコールが検出された。風見は自殺と断定され、被疑者死亡で捜査は終わっていた。 ところが三日前、横浜で発生した看護師・炭谷真紀(伊藤しほ乃)殺害事件の現場で採取されたDNAが、代官山の事件のDNAの1つと一致したという。もし横浜の殺人と20年前の代官山の事件が同一犯の犯行で、風見が犯人ではないとしたら、大スキャンダルになる…。山岸は神奈川県警より先に、しかも秘密裡に真相を究明したいと考えていた。 神奈川県警の捜査本部の指揮をとるのは刑事部長・森末哲平(益岡徹)。それを聞いた水戸部は顔をこわばらせる。かつて、人質たてこもり事件で森末の指示により水戸部らが突入した結果、水戸部の同僚が銃で撃たれ殉職していたのだ。 200人にのぼる神奈川県警の捜査本部も2つの事件を調べ始める中、水戸部と朝香は、みちるのアパートを管理していた不動産会社・倉橋エステート社長の倉橋篤志(阿南健治)から話を聞くことに。みちるの遺体の第一発見者は倉橋エステートの社員・三ツ谷優(稲荷卓央)だったのだ。三ツ谷は事件直後に独立したが会社は潰れ、現在は消息不明だと倉橋は語る。二人はみちるが働いていた代官山のカフェで、オーナーの篠原大輔(渋川清彦)、常連客の木島俊夫(加藤久雅)からも話を聞き、少しだけ人間関係が見えて来る。 そんな中、20年前に代官山の事件を担当していたという警視庁庶務係の時田悟(モト冬樹)が現れる。そして、水戸部に当時集めた情報が書いてあるというノートを差し出す。さらに風見の部屋の押収品を