建設会社社長・友部雄一郎(川井つと)が自宅で殺害された。多摩南署の刑事・近松丙吉(伊東四朗)は現場に急行。第一発見者は雄一郎の妻で料理研究家の蕗子(伊藤裕子)。金庫からは2千万円が消えていて、凶器の灰皿からは蕗子の指紋が検出される。蕗子は殺害時刻には近くのスナックで知人と会っていたと主張するが、その人物の名前も連絡先も分からないと言う。 近松は同僚の刑事・西尾昭夫(マギー)とともに、蕗子がいたというスナックへ。ママの松尾安美(秋本奈緒美)は、蕗子が男性と会っていたこと、そして途中で30分ほど店の外へ出ていたことを明かす。 多摩南署の取調室では警視庁捜査一課の長谷川翼(内田朝陽)が、灰皿についた血の上に指紋が残っていたと蕗子に詰め寄っていた。捜査会議では友部夫妻の関係がうまくいっていなかったことが報告され、離婚話のもつれによる犯行説が強くなる。 近松はスナックから友部邸への道は急坂で、状況から見ても30分間での犯行は困難、まずは蕗子も素性を知らないというスナックにいた男を探すべきだと異議を唱える。 しかし、捜査を混乱させる発言は慎むようにと管理官・山形治(三浦浩一)は、近松の意見を一蹴し、蕗子の逮捕状請求を決める。山形に目の敵にされ続ける様子を見て、係長の村越実(角野卓造)は近松の身を案じるが、近松は独自で捜査を続行する。 長谷川らは蕗子のアシスタント・石井昌子(あいはら友子)から、料理教室で使う食器が全て陶芸家・夜須久範(弓削智久)のものであることを聞く。夜須を訪ねると、蕗子の愛人であることは認めたもののアリバイがあった。 その頃、近松が再びスナックを訪れると、安美は「蕗子といた男は陶芸に詳しかった」と言い、さらに男も一時外出していたと話す。 そんな中、蕗子は嫌疑不十分のため釈放されることになる。 長谷川は友部邸の前で出くわした葉山康晴(斉藤佑介)という男の父親が、雄一郎に会社を潰され自殺し、負債金額が2千万円であったことを知る。しかも最近、周辺には資金の目途が立ち会社を再建すると語っていたという。長谷川は蕗子と葉山、両建てで捜査を進めるべきだと山形に提案する。 一方、近松はこの事件の謎を解く鍵は蕗子が語る“幻の男”にあると考えていた。地道な聞き込みでようやくそれらしき男が泊まったホテルを探し出し、宿泊名簿を見せてもらうと、男の住所は栃木県益子町で、名前は香川透と判