広大な北アルプスが管轄の安曇野北警察署は、山での事故に備え山岳遭難救助隊も常駐する日本でも珍しい警察署だ。主任である道原伝吉(松平健)は山に詳しく、山岳刑事と呼ばれている。 ある朝、降旗節子(雛形あきこ)が道原宛ての小包を持ってきた。差出人不明で、課長の四賀善範(森田順平)らも不気味そうに覗き込んでいる。中に入っていたのは、登山靴の赤いひもと白骨化した女性の右足、さらに『早く見つけて下さい』と書かれた1枚の便箋…。北アルプスで遭難が疑われている行方不明者のうち、道原が直接捜索した看護師の佐久間あや(大路恵美)ではないかと思った道原は、DNA鑑定を行うため、降旗と共に、あやの母・みどり(かとうかず子)を訪ねる。また、あやが勤めていた「あづみ野中央病院」の事務・丸本加奈子(遊井亮子)に話を聞くと、登山が趣味という話は一度も聞いたことがないということだった。 その日の夜、帰宅した道原の家には、妻・康代(斉藤慶子)、娘・比呂子(谷内里早)、山岳遭難救助隊隊長・中倉益男(勝野洋)がいた。中倉とは"伝さん""中さん"と呼び合う旧知の仲間であり、道原にとっては遭難しかけた娘を救った恩人でもある。一方、中倉は、娘を早くに亡くし、妻の千恵(大島さと子)も心を病み入院生活中。そんな中倉の事を、道原はいつも気にかけていた。 翌日。DNA鑑定の結果から、みどりとの親子関係が認められ、骨はあやのものであることが判明する。 一方、「緑聖会カトレア病院」の医師・島崎純也(河相我聞)のもとにも差出人不明の小包が届く。中には左足の骨と『さようなら』と書かれたメモ…。果たして偶然なのか?それとも何か関係が?そんななか、第2の事件が起こり…。