葛飾区内のマンションの一室でOLが絞殺された。現場に駆けつけた葛飾中央署の刑事・大場徳二(寺脇康文)は、すぐに現場の異様な様子に気づく。犯人は殺害後、被害者を仰向けにして髪を整え、着衣を直し、両手をお腹の上で重ねさせていたのだ。大場はベッド脇に龍の彫り物のある古いネックレスが落ちているのを見つけ、とっさにそれをポケットに入れてしまう。そのネックレスに見覚えがあったのだ…。 それは、大場が昔、同郷の幼なじみ・右田克夫(松重豊)にプレゼントしたものだった。暴力団員だった克夫は、大場が警察官になったのを機に連絡を絶ち、姿を消してしまっていたが、去年大場のもとに年賀状を送って来ていた。大場は年賀状に書かれた住所を頼りに、克夫の行方を探し始める。 しかしその矢先、新たな事実が発覚する。今回と同様の手口の殺人事件が、過去に荒川、杉並でも起こっていたのだ。どの事件も被害者の髪の長さは肩までで、ゆるいパーマをかけており、遺体は仰向けにされ、お腹のあたりで手を重ねていた。それらの現場から遺留品は発見されておらず、大場が今回とっさに持ち去ってしまったネックレスが唯一の物証であることも判明する…。 単独捜査を始めた大場は、克雄が杉並で息子の敏勝(三浦貴大)とともに暮らしていたことを突き止める。克夫は去年の秋に敏勝とともに故郷の墓参りに行き、墓地のそばの山中に敏勝とともに消えたのを最後に、行方が途絶えてしまっていた…。その後、山中からは敏勝が一人だけで戻ってきたが、その際、克夫のネックレスを身につけていたという。一連の犯行は克夫ではなく息子の敏勝によるもので、克夫もすでに敏勝に殺されてしまったのではないか…?大場はそう直感する。 やがて大場は、ネックレスの内側に敏勝の母親・千春の顔写真が貼られているのを見つける。その写真は、かつて大場の就職を祝って、大場と克夫、克夫の妻・千春の3人で撮ったもので、大場も同じものを持っていた。自分が持っている写真を見返した大場は、千春が被害者たちと同じ髪型をしており、お腹のあたりで手を組んで写っていることに気づく。 大場が敏勝の存在にたどり着いた頃、合同捜査本部も敏勝の存在にたどり着いていた。しかし、任意の事情聴取では敏勝を追い詰めることができず、捜査陣は敏勝の異常性に気づきながらも、なす術をなくしていた。そこで大場は、敏勝を秘密裏に呼び出し、自首するよう迫