99年前、東京大学の地震計の針が振り切れた。関東大震災である。その22年後、東京は再び壊滅する。東京大空襲である。この二度の破壊と復興に深く関わったアメリカ人がいた。建築家アントニン・レーモンド。帝都復興院総裁・後藤新平との深い絆のもとで震災後の東京再建に尽力した一方で、日本の家屋と都市を知り尽くしていたレーモンドは、米軍の焼夷弾開発実験に巻き込まれていく。ふたつの破壊の運命的なつながりの物語。