世界で初めて大規模な油田が発見されたのは、19世紀半ば、アメリカ五大湖近くだった。以来石油は、石炭に代わる新たな動力源として爆発的に需要が増加、石油なしには世界は動かなくなった。それゆえ石油は、争いの種となった。日本があの戦争を始め敗れたのも、戦後欧米とアラブ諸国との間に激しい対立が生まれたのも、その原因は石油だった。その一滴は血の一滴とも称される、「燃える黒い水・石油」をめぐる争いの物語である。