ある晩、佐々本家の四女・夕里子は、何かが焦げたような臭いに目を覚ます。気づくと周囲はすでに火の海で、夕里子は姉たちが家に残っていないか懸命に捜しながら、命からがら脱出する。家は全焼してしまったものの、不幸中の幸いとでも言うべきか、長女・真理はキャビンアテンダントの仕事で空の上、美大生の次女・綾子はぶらりとコンビニへ、フリーターの三女・珠美は賞金稼ぎのために大食いに挑戦中で、怪我人は1人も出なかった。最近、付近で放火と見られる不審火が相次いでおり、佐々本家も火の気のない場所が火元となっていたため放火と断定された。 しかし、警察が調べたところ、大学で考古学の准教授を務める4姉妹の父・周平の部屋からとんでもないものが発見される。押入れの中から、ナイフで刺された妊婦の焼死体が出てきたのだ。横浜中央警察署の刑事・三崎は、出張中で連絡が取れない周平を完全に犯人扱いして捜査を開始。部下の若手刑事・国友も、4姉妹を気遣いながらも周平の近辺を調べ始める。 こうして家を焼け出された4姉妹は、心配して駆けつけてくれた叔母・加津代のもとに身を寄せることに。加津代の内縁の夫・秀樹は、「証拠が揃い過ぎている」と言って周平の無実を断言するが、ヒモのような暮らしをおくる男の言葉では何とも頼りない。しかし、父の無実を信じて疑わない夕里子は、「なるようにしかならない」とあきらめムードの姉たちを尻目に、1人で事件を調べ始める。やがて、発見された妊婦の遺体は、父の元教え子だったことが分かる。