「あなた自身が住みたい家を建てて下さい」それがY邸の依頼人・吉野陶太(伊藤淳史)が、建築士・青瀬稔(西島秀俊)に託した唯一の注文だった。バブル崩壊後、妻・ゆかり(宮沢りえ)とも別れ、流れ作業で仕事をしてきた青瀬にとって又とない機会だった。青瀬は所長・岡嶋昭彦(北村一輝)の応援を受け、全ての思いを託してY邸を完成させる。だがその一年後、吉野一家がY邸に引っ越していない事が発覚する。