西暦585年、新羅から一人の武将・伊真が倭国へ渡る。鍛冶部として時の権力者・蘇我馬子に仕えることになった伊真は、不思議な魅力を持つ少年・厩戸皇子と出会い親しくなる。一方で、馬子と物部守屋の権力争いが激化する。 馬子は額田部皇女と図って泊瀬部皇子を大王に定め、守屋が擁立する穴穂部皇子を暗殺する。ここに至り、馬子と守屋の争いは全面対決へとなだれ込む。厩戸も馬子の軍勢に加わり、戦闘に巻きこまれるのだった。厩戸と伊真の活躍により馬子軍が勝利を収めるが、戦闘の悲惨さは厩戸の心に深く突き刺さる。今や実質的な最高権力者となった馬子の元に百済から使節が訪れる。使節は単なる親善目的ではなく、新羅との勢力争いに加勢を求めにきたのだった。
新羅出兵が決定する。しかし、戦闘の悲惨さを痛感した厩戸は貧民救済事業をしながら、出兵を止める策を練っていた。出兵が開始されると、馬子は邪魔になった大王・崇峻天皇(泊瀬部)を暗殺する。王位は額田部が引き継ぐことになるが、額田部は厩戸に摂政に就くよう依頼する。新羅からの撤兵を条件に、厩戸は引き受ける。こうして国政に参画することになった厩戸は早々に隋に使者を送るが、相手にされない。国家整備が急務と悟る厩戸だが、再び新羅への出兵を図る馬子と対立していく。