#90「俺とカルボナーラの出会いについて」

5月下旬のある晴れた日、ちょうど1年前に訪れた茨城県の里山のキャンプ場へ再びやってきたヒロシ。お気に入りの森のサイトでゆったり過ごした記憶が鮮やかによみがえり、知らず知らずのうちに涼しげな森の中へと吸い込まれていってしまう。去年と同じ居場所で過ごしたい誘惑をなんとか断ち切って日向の居場所で昼ごはんの準備に取り掛かったヒロシだったが、パスタを茹でる静かな時間のなかで遠い青春の日に起きた衝撃の体験を思い出す。