3月上旬、標高650mの群馬の山奥にやってきたヒロシは、まだ所どころ雪で覆われたキャンプ場でふと思い立って人生初の雪だるまを作る。 テントの傍に雪だるまを安置してひとりの夜を静かに過ごすヒロシだったが、ランタンが照らす雪だるまに誘われるようにして、これまで胸に秘めていたある大切なことを語りだす。 季節はずれの雪だるまと過ごしたヒロシの早春キャンプ。