きっと、また会えるから… 戦況が悪化するウクライナへの帰国を決断した母・マーヤさん(47)。ロシアによる侵攻から逃れて3年。次女・レギナちゃん(9)と息子のマトヴェイくん(7)も、日本の幼稚園や小学校でできた友達との別れの時を迎える。 「危険なウクライナで、どうやって子どもと生きていくの?納得できない…」同じ境遇で日本に避難しているウクライナ人からも、帰国を強く引き止められるマーヤさん。 3人の故郷・ウクライナ東部の戦況は悪化。爆撃が相次ぎ、自宅からわずか500mの場所でもドローン攻撃による死者が出る事態に…長女のアナスタシアさん(25)と日本人の夫・和真さん(38)は、子どもたちだけでも日本に残るよう説得を試みるが、マーヤさんの心は揺るがない。 出発前夜、家族はささやかな“最後の晩餐”として和真さんが作るお好み焼きを囲む。和真さんはレギナちゃんの髪を乾かしながら、家族として過ごしてきた3年の日々に別れを告げようとしていた。 翌朝、空港で迎えた別れの瞬間。「戦争が終わったらまた来てね」「また会えるから…」 家族の誰もが、それぞれの大切なものを守ろうとしただけなのに、すれ違い、ぶつかり合い、引き裂かれていく…東京・東新宿に暮らした一家の姿は、戦争がもたらす悲しい現実そのものだった。 民放連賞「テレビ報道部門」優秀賞、ギャラクシー賞「報道活動部門」奨励賞を受賞したシリーズ第4弾。 【語り】芳根京子