第一幕 運命 舞台は、H大学獣医学部の構内。主人公である高校3年生の西根公輝(吉沢悠)は、友人の二階堂昭夫(要潤)とともに、駅への近道である解剖学教室の前を走り抜けた。すると目の前に、幽霊のような女性(実は獣医学部6年生の菱沼聖子(和久井映見))、般若の顔(実はハスキー犬の子犬)、はては白衣に奇怪な髪飾りをつけ化粧をした男(実はH大学の漆原教授(江守徹))までが、次々現れる。 第二幕 チョビの病気 チョビが血便をした。さっそく公輝が近所の西町家畜診療所に行こうとすると、祖母のタカ(岸田今日子)が猛反対。タカの少女時代に飼っていたコロが、爪を切られすぎて出血した事件があり、半世紀経った今も、執念深く覚えていたのだ。しかたなく、二階堂とともにH大学獣医学部の動物病院へ。 第三幕 ミケの危機 H大学獣医学部生になった公輝は、チョビと、タカに世話を任されたミケと一緒に大学へ。一方、動物病院の診察台には、これから膀胱結石の手術を受ける、赤いベルトをしたミケにそっくりのシンシアがいた。
第一幕 タカの執念 公輝(吉沢悠)は、まだ獣医になると決めたワケではない。しかしタカ(岸田今日子)は開業を支援すると言い張り、少女時代にコロの爪を切られすぎた恨みをもつ、近所の西町家畜診療所こそライバルと息巻く。 第二幕 菅原教授の悩み 3年の秋には所属講座を決めなければならない。漆原教授担当の「病院」に惹かれるのは公輝ぐらい。紳士的だが、神経質で超厳格な菅原教授(草刈正雄)の公衆衛生学も、人気が低い。ところが大学院生の菱沼(和久井映見)に憧れている小夜(加賀美早紀)は、公衆衛生学を志望。足繁く公衆衛生学研究室に出入りするようになる。 第三幕 菱沼の恋人 今日は大学の健康診断。公輝と二階堂(要潤)が待機していると、研究室で寝ていた菱沼もやってくる。その頃、菱沼の担当教官・菅原は、彼女の将来を考え悩んでいた。君が紹介してやらないと彼女はずっと結婚しないぞ、と忠告する漆原だが……。
第一幕 いいネズミ、の見分け方 公輝(吉沢悠)は、博士課程1年の岡田が学会で留守をする間、10匹のスナネズミを預かった。家に持ち帰り、ケージを掃除していると、そこへミケが乱入! さらにネズミが大嫌いな二階堂(要潤)も現れ、大混乱に!! 第二幕 漆原の罪と罰 公輝はチョビを連れ、2泊3日の牧場研修にきた。二階堂、小夜(加賀美早紀)、清原(高杉瑞穂)、阿波野(平井理央)も一緒だ。しかし宿舎の食事は、質素で、まずくて、少ない。山中の牧場なだけに、コンビニなんてあるわけもなく、学生たちはお腹がすいて倒れそうだ。ところが、漆原(江守徹)だけはなぜか元気。同じメニューを食べているのに……?
第一幕 怪しいアルバイト 公輝(吉沢悠)はアルバイトを経験したことがない。そこで清原(高杉瑞穂)は「少しは世間の荒波にもまれろ」と、“上客”のバイト先を押しつける。公輝が向かったバイト先は、庭付きの邸宅。4匹の大型犬の散歩を、3時間もやるのだ。 第二幕 タカの孫自慢 タカ(岸田今日子)は、孫の公輝が獣医学部に通っていることが自慢だ。近所の主婦たちにもふれ回り「猫でも鳥でもお気軽に」という始末。 第三幕 飼い主は誰? H大学構内には、のどかな時間が流れている。すると突然、二階堂(要潤)の頭にサッカーボールが直撃。動物病院助手の矢倉と、その同級生で弁護士をやっている岸谷、その7歳の息子・ユースケが謝りに来た。向こうでは、岸谷の妻である優子と、娘のマリエが会釈をしている。「なんだか絵に描いたような一家だな」とうらやむ二階堂。
第一幕 雨の日の惨劇 6月の雨の日。季節外れの寒さは厳しく、H大学獣医学部動物病院には石油ストーブが運び込まれた。こんな日の外出は面倒だ。患畜を連れてくる人もおらず、漆原(江守徹)、公輝(吉沢悠)、二階堂(要潤)、矢倉は、漆原の大好物・石油ストーブで温めた缶入りしるこをすすっていた。 第二幕 二階堂の試練 明日の寄生虫学の実験は、ラットを使う。ネズミ嫌いの二階堂は、実験でネズミを使うたびに休んできたが、これ以上欠席すると卒業が危うい。アレルギーなら欠席も許されるのだが、二階堂の場合は単に嫌いなだけだ。 第三幕 夜の訪問者 深夜、西根家の電話が鳴る。タカ(岸田今日子)が不機嫌に電話を取ると、黙って切れた。翌日その話を公輝から聞いた菱沼は、「夜中の電話は、誰かの不幸の知らせかと思うからドキッとする」と言う。
第一幕 家族の大勝負 ドイツ在住の公輝(吉沢悠)の両親・絹代と祥平が、演奏会のため4年ぶりに帰国。絹代は、さすがタカ(岸田今日子)の娘。タカと絹代で、朝食を作る担当をさいころやアミダで決めようとするものの、「ぼくが作ります」と公輝が間に入ってくるとあっさり引き下がる。 第二幕 ハムテルの試験対策 試験シーズンがきた。「ギリギリでもいい。絶対試験に落ちないぞ」というポリシーをもつ公輝は、単位を落としたことも再試験を受けたこともない。本番にも強く、先生の質問にその場で口答するテストでは簡単な問題が振られたり、気迫で先生を言い負かしたり。既に再試験が決まっている二階堂(要潤)は、公輝の使った鉛筆をお守りにすると言い出す。 第三幕 漆原の弱点 犬や猫を連れた飼い主たちでごった返す、H大学獣医学部動物病院。漆原教授(江守徹)は歩きながらいろんなものにぶつかり、学生たちの仕事を増やしてくれる。漆原の傍若無人ぶりに振り回されっぱなしの彼らは、「漆原に勝てる人間はいないのか?」と思案。
第一幕 ミケの家出 西根家に毛蟹が届けられた。公輝(吉沢悠)は、飲み会のためチョビを残し外出。そこでタカ(岸田今日子)は公輝の分まで食べてしまおうとした瞬間、公輝からの電話が鳴った。 第二幕 英語のかべ 菱沼(和久井映見)はH大学大学院・博士課程の3年生だが、通常より1年早く、3本の博士論文を仕上げようとしている。実験のメドはついているのだが、苦手な英語で書かなければならないため、夏休みもとれない状況だ。 第三幕 清原の愛情 公輝たちは、生理学実験室で血液検査の実習中。「犬の血液中にミクロフィラリアを発見したらフィラリアだ。食欲がなくなり、咳をしたり、倒れたりする」と原田教授は説明した。自習室に戻った公輝たちは、チョビと清原(高杉瑞穂)の愛犬・平九郎に、ドッグフードを与えた。しかし平九郎は食欲がない様子。
第一幕 ヒヨちゃん、病に伏す 雄鳥のヒヨちゃんは西根家最強の生き物だ。育ての親である公輝(吉沢悠)なら、背後から攻撃されても難なくちり取りでガードできるが、他の人はそうはいかない。 第二幕 菱沼の就職 菅原(草刈正雄)の教授室で、製薬会社との就職面接が行われている。この就職難の時代に、来年の就職希望者全員が、内定をもらったようだ。 そこに携帯用の扇風機をあびながら菱沼(和久井映見)が現れ、面接中とは知らず、ノン気に「お昼どうしますかあ?」と教授室へ。 第三幕 ネズミ捕獲作戦 レポート締め切りまで4日。公衆衛生学研究室では、公輝、二階堂(要潤)、小夜(加賀美早紀)、清原(高杉瑞穂)、阿波野(平井理央)が遅くまで残り、顕微鏡を覗いている。するとゴミ箱のあたりで、カサッと音が。
第一幕 菱沼のライバル ゴミ捨て場に、伝染病学講座から実験用器具などが捨てられた。菱沼(和久井映見)は公輝(吉沢悠)たちにも手伝わせ、使えそうな備品を収集。そこへ菱沼と同期で伝染病学の綾小路(雛形あきこ)が現れた。 第二幕 クリスマスの思い出 二階堂(要潤)が、チョビの水浴び用にもってきたビニールプールは、チョビによってすぐに穴を空けられた。そこでタカ(岸田今日子)は、蔵にある〈大きなたらい〉を勧めるが、二階堂は蔵の中に入ろうとしない。半年前、クリスマスイブの日の事件を思い出したからだ。 第三幕 謎の細菌メモ 今月3回目。菱沼(和久井映見)の扱う細菌がまた死んだ。菅原教授(草刈正雄)から厳重な注意を受けた菱沼は、公輝(吉沢悠)のアドバイスを受け、やるべきことをメッセージボードに貼ることに。さっそくワープロ書きで「細菌にエサをやること」とメモを貼付。そのお陰で、翌日は忘れずにエサを与えられたので、再びメモを貼った。明くる日、ボードを見ると「細菌に干し草を与えること」と手書きメモが……。
第一幕 間違いだらけの講座選び 獣医学部3年生が所属講座を選択する時期になると、各講座の教授や先輩は勧誘作戦を決行する。公輝(吉沢悠)や二階堂(要潤)にはアイスやソーメン等の贈り物が渡されたり、小夜(加賀美早紀)は片づけを手伝ってもらったり、阿波野(平井理央)は「可愛いなぁ」とヨイショされたり、清原(高杉瑞穂)はタダでコンパに誘われたり。 第二幕 漆原の秘密!? 菅原教授(草刈正雄)は、大切な資料を漆原教授(江守徹)になくされてしまった。学生たちと一緒に、漆原も渋々と机上を探し始めるが、かえって部屋を散らかしてしまう。諦めて部屋を去る菅原。そこへ漆原の妻から「1時間後に来る」という電話が入る。漆原は公輝たちに後片づけを任せ、なぜか慌てて部屋の外へ……。 第三幕 さよなら、平九郎 清原は1年間のアメリカ留学に合格。不要となった生活用品を売りさばいている。愛犬の平九郎は、アメリカに連れていかず、実家に預けるらしい。
第一幕 チョビ、帰らず 西根家のお隣りの飼い犬は、キノコ探しが得意。隣人に愛犬自慢をされたタカ(岸田今日子)は、負けずにチョビにも出来ると言い返す。ハムテル(吉沢悠)と二階堂(要潤)は、チョビを連れてキノコ狩りに山へ向かうハメに……。 第二幕 宿命の対決 公輝と二階堂は、奇妙な段ボールを発見した。白地に黒ぶちの模様がほどこされ、ひとつ穴が開いている。菱沼は「ハムテル君たちは敵だから」と、〈直検競走〉に使うとしか教えてくれない。〈直検競走〉って何? 敵って……?