別名:孝道を尽くす思悼世子。度重なる譲位騒ぎに世子の心は千々に乱れ、世子妃の励ましの言葉さえ疎ましく思われた。世子妃のいる宮殿に足も遠のき、一人、乗馬や武芸に励む。世子妃の父、ホン・ボンパンは老論派に属していたが、党派に縛られるかたくなな男ではなかった。老論派をまとめたうえで領議政である少論派のイ・ジョンソンを説得、英祖の夢だった実母淑嬪チェ氏の墓の昇格を、世子からの英祖の還暦祝いにしようと計画、策は見事に実現したかに見えたのだが…