チャイルド・スポンサーシップを通して途上国の貧困問題解決を目指し活動する国際NGOワールド・ビジョン・インターナショナルを題材にします。子どもだけの支援から教育、保健衛生、農業指導、水資源開発、収入向上、指導者育成など幅広い分野で長期的な支援を行う総合地域開発へと支援の幅を広げ、上下関係のない契約に基づいた「連邦モデル」と呼ばれる独自の組織構造を形成してきました。その中で提案されたHIV/エイズ対策プロジェクトには、アメリカの保守的支援層からもアフリカの現地スタッフからも異論が噴出。その上、子ども支援で巨額の寄付集めを実践してきたアメリカ事務所からはエイズ問題では寄付が集まらないと反対の声が上がります。分権化された連邦型組織構造ではドップダウンは通じません。この新しいプロジェクトへの組織内外からの反対や抵抗に対して、どのように説得し対処すべきかを議論していきます。