過激な取材手法とスクープ合戦で知られるイギリスのメディア。そのあり方を根本から問い直す異例の公聴会が、先月末から始まった。証言台に立っているのは、有名俳優のヒュー・グラントや「ハリー・ポッター」の作者のJK・ローリング、そして、事件報道で注目された犯罪の被害者などだ。特ダネ記者が、電話を密かに盗聴し、数々の違法行為を通してスクープ記事を書き立ててきたと訴え、「メディアの規制が必要だ」と立ち上がった。一方、メディア側は、「権力の不正を暴くためには違法な取材も必要だ」と反論し、国を2分する論争になっている。報道の自由をめぐって大きく揺れる英国メディアの実態を追う。