シリーズ3夜目は、中東に新たな影響力を及ぼし始めたトルコを取り上げる。2002年、トルコはイスラム系政党AKPが政権を獲得、欧米中心だった政策を中東寄りの路線に転換した。イスラム化への内外の懸念をよそに、次々と経済の規制改革や社会制度改革を実施。この10年、経済成長は年8%と国内政治の安定を実現している。イスラム色と民主国家としての近代性をどうバランスさせるか。トルコの好調は、民主革命を経た中東諸国から「先行モデル」として注目が高まっている。また高い支持を背景に積極的な多元外交にも乗り出し、EUと中東、アメリカ、アジアなどとのバランスをとりながら、独自の発言力を増している。トルコが目指す新たな中東の未来、そして世界像を明らかにする。