国としての戦略がなく企業の撤退も相次ぐ中低迷してきた日本のトップスポーツ。今年6月、国はスポーツ基本法を制定。抜本的なトップアスリート強化に乗り出した。キーワードは「女子力」。世界の水準を分析した結果、それまで男性に比べ支援が手薄だった女性選手に資金やマンパワーを投入し強化を図る戦略を採用したのだ。トライアスロン、サッカー、カヌーなど、来年のロンドン五輪でのメダル量産を目指し、国から派遣されたスタッフや研究機関が女子トレーニングの一大改革を開始している。一方、企業のスポーツ支援でも新たな動きが登場。2016年から五輪正式種目に決定している女子ラグビーに新興企業が続々サポーターとして名乗りを挙げるなど、従来の広告スポンサーや地域クラブ制度に囚われないビジネスモデルで「なでしこブーム」の再来を狙う。新たにはじまった女性アスリート育成の最前線を追う。