いま、被災者が自治体に訴えられる異例の事態が多発している。東日本大震災の被災者のため自治体が貸し付けた「災害援護資金」の返済を求める訴訟だ。返済期限は13年。約2万8千件の貸し付けの多くが期限を迎える中、滞納額は約63億円にも上り、被災者は返済苦に陥っている。一方で取り立てを行う自治体の苦悩や、制度の課題が積み残されてきた実態もわかってきた。将来、同じ問題を繰り返さないために何が必要か考える。