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前編

1999年夏。週刊誌記者の北川慎一(江口洋介)は、無惨にも18歳の少年に妻子を奪われた青年、町田道彦(眞島秀和)の取材へ足を運んだ。まだあどけなさの残る青年の目は、計り知れない絶望と怒りに満ちていた。妻子を奪った少年は、法律によって手厚く守られている。しかし被害者の心の傷は生涯癒えることはなく、国や司法から蔑ろにされている。町田は、無念と孤独に押しつぶされそうになっていた。そんな町田の激情に触れた北川は、犯人の実名を書いた手記を出さないかと提案した。この実名手記を期に、多くの人々の支援を受けながら被害者遺族の無念、悲しみを訴える活動を続けた町田だが、幾度となく司法の厚い壁に跳ね返され、自信の無力さに限界を感じていた。 2000年3月。第一審の判決前夜、町田はあるメッセージを会社に残し、姿を消した。 「せっかく結婚させていただいたのに佳織に苦労ばかりかけた上、守ることも出来ませんでした。本当に申し訳ございませんでした。僕にはこういう方法しかとる術はありませんでした―」

日本語
  • Originally Aired September 25, 2010
  • Runtime 95 minutes
  • Network WOWOW
  • Created October 6, 2011 by
    Administrator admin
  • Modified October 6, 2011 by
    Administrator admin