戦後初めて行なわれた全日本空手道選手権大会で優勝した大山倍達は、その名を全国に轟かせたが、一方、大山に空手日本一を奪われた空手関係者は、大山空手を“邪道空手”“けんか空手”と非難を浴びせ、体制から排撃しようとした。孤立した大山だが、一切動じず、さらに修業をつむため、千葉の清澄山にこもり、ひたすら稽古にはげんだ。それから数年--。再び東京に戻った大山は、各空手道場を訪れては、他流試合を申し込んだ。ある日、錬心館を訪れた大山は、館長の竜道寺重成に試合を申し込むが、断わられた。しかし、竜道寺は、門弟たちに大山を闇討ちをかけさせたが、逆に、返り討ちにあった。だが、この事が刑事事件として扱われ、大山は再び空手界から追放されてしまった。数日後、大山は池袋の酒場で、今は暴力団のボスで、少年航空兵時代の仲間・木村と再会、彼のすすめで組の用心棒となった。それから、木村の経営するキャバレーに入りびたっていた大山は、ある日、自分の名をかたるサギ師、大橋と小鶴を掴まえた。だが、小鶴らは、大山に親しみを抱き、彼に近づくようになった。一方、大山の後を追いかけて池袋にやって来た恋人の智八子は、キャバレーのホステスとなって大山を探しつづけた。そして、ついに大山と再会した。この事をきっかけに、大山は木村の許を離れたが、智八子とは一緒にならず、小鶴らとともに空手の修業に励むのだった。一方、小鶴を慕っている寿美子は、彼と一緒になる事を夢みて小料理屋で働いていたのだが、竜道寺の魔手によって殺されてしまった。逆上した小鶴は、単身、竜道寺を襲ったが、返り討ちにあった。これまで、耐えに耐えて来た大山だったが、ついに竜道寺に果し合いを申し込み、打ち破った。その後、大山は、北海道へ向かった--。北海道へやって来た大山は、倫太郎という少年を知った。倫太郎には、ガンの病で寝ている父親がいた。大山は、この父親の治療費を作るためにヒグマと対決する決意をした。そして、この事は全国の話題となった。一方、沖縄で空手の修業をつんで帰国した、竜道寺の弟・重隆は、兄の復讐を誓った。また、大山とヒグマの対決を知った智八子は、北海道に出かけ、大山にヒグマとの対決を中止するように懇願するが、大山は頑強に断わった。対決の日。死ぬ覚悟の大山は、見物人の大歓声の中で、見事にヒグマを打ちのめした。その夜、大山の所に、重隆からの果し状が届いた。翌朝、大山は東京へ向けて、出発した……。
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